形態・生態
ウメはバラ科サクラ属の落葉高木です。
樹高5~10メートルになります。中国原産の帰化植物で、日本に渡来した時期には諸説あり、弥生時代とも奈良時代とも言われています。
早春、葉が展開する前に、ウメは花を咲かせます。
花の色には紅色系のものと白色系のものがあります。花は直径1~3センチの5弁花で、強い香りを放ちます。果実は直径2~3センチ。強い酸味があり、梅干しや梅酒などに利用されますが、未熟な果実の種子には、青酸配糖体のアミグダリンが含まれ、けいれんや麻痺などの中毒を惹き起こすことがあります。
性質
東京から日本豊受自然農がある函南へ向う途中には、ウメの名所があります。曽我梅林(神奈川県小田原市)、湯河原梅林(神奈川県湯河原町)、熱海梅園(静岡県熱海市)など、花の時期には観光客でにぎわいます。
ウメは中国原産ながら、古くから日本人に親しまれてきた花です。中尾佐助によると、『万葉集』では118首でウメが詠まれています。これはサクラの42首をはるかに上回り、ハギの138首についで全体で2番目に多い数です。ウメを含むサクラ属植物のフラワーエッセンスは、「平静」「浄化」と関連するものが多くあります。ベイリーのフジ・チェリーは「トランキュリティー」(平安)、ホワイト・チェリーは「プロテクション・アンド・クリアリング」(防御と浄化)のコンポジットに使われています。ウメのエッセンスにも共通する性質があるのではないでしょうか。
ウメは、花の色や形、香り、さらにはその枝ぶりにも、高貴な気品が漂い、見る人の心を清らかにしてくれます。ウメのエッセンスを作っている最中、私は喧騒から逃れて、独りになりたい気持ちにかられました。それもウメの働きではないかと思います。ウメのエッセンスは、私たちの心を清め、静けさをもたらし、私たちを高い世界へと導いてくれることでしょう。
Profile
東 昭史(あずま あきひと)
フラワーエッセンス実践家。バッチのフラワーエッセンスを中心に植物療法を学ぶ。著書に「心と体にやさしい薬草入門」「バッチフラワー花と錬金術」がある。
Update / 2015.03