形態・生態
スイカズラ科スイカズラ属の常緑つる性木本植物です。日本全国を含む東アジアに分布し、山野や道端に見られます。
5~7月に、甘い香りを放つ花を咲かせます。花の色は白色からやがて黄色になり、二色の花が咲いていることから、一名「金銀花(きんぎんか)」とも呼ばれます。花は一カ所に二つずつついており、花の基部には甘い蜜があります。
近年では北アメリカやヨーロッパにも帰化し、その繁殖力から有害な雑草として扱われています。
性質
スイカズラは漢字で書くと「吸い葛」。名前の由来は、人々がこの花の甘い蜜を吸っていたからとも、そのときの口に花の形が似ているからともいわれています。英語名のハニーサックルも同様の意味です。
この花を見ると甘い蜜を欲するという人々の印象は、この花が愛情不足の心理状態と関係していることを物語っているのかもしれません。
実際、ヨーロッパに自生するハニーサックルから作られたエッセンスは、そのような性向の人に合うものです。ベイリーフラワーエッセンスのハニーサックルは、悲しい出来事から心を閉ざして一人になる人に使われます。
ハニーサックルの花は受粉が済むと黄色くなります。それは授粉してくれる昆虫たちへの「もう来ないで」というサイン。ハニーサックルのエッセンスを必要とする人にみられる、自分を訪ねる存在との関係を断とうとする傾向が、花の色にもあらわれているのです。また、それはスイカズラの花にみられる特徴でもあります。
日本のスイカズラの花は、葉状の苞につつまれて、必ず二つずつ寄り添うように咲いています。その姿はパートナーシップを象徴しているように見えます。
自分の近しい人や大切な人との関係で、何か悲しい出来事があって以来、まわりの人々や物事に対して心を閉ざしている人に、スイカズラの花は私たちに力を与えてくれるのではないでしょうか。
Profile
東 昭史(あずま あきひと)
フラワーエッセンス実践家。バッチのフラワーエッセンスを中心に植物療法を学ぶ。著書に「心と体にやさしい薬草入門」「バッチフラワー花と錬金術」がある。
Update / 2015.07